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サンクコストとは?

サンクコストの概要

サンクコスト(Sunk Cost)は、既に投資されて回収不可能なコストのことを指します。経済学や心理学でよく用いられるこの概念は、過去に投じた時間や資源が現在の判断や行動に影響を与えるという点で非常に重要です。具体的には、サンクコストが高いと感じることで、人はそのプロジェクトや活動にさらに投資する傾向があります。


身近な例

考えられる身近な例としては、映画館での体験があります。あなたが映画のチケットにお金を払い、映画が面白くなかったとしても、多くの人は最後まで観る傾向があります。これはチケット代(サンクコスト)が影響しているためです。同様に、高額なフィットネスジムの年間会員になった場合、多くの人は「せっかく高いお金を払ったのだから」と考え、なるべく通うように努力します。


注意点

サンクコストが判断に影響を与えることは、時に合理的でない行動を引き起こす可能性があります。例えば、映画が面白くないのに最後まで見る行為は、実は時間の無駄かもしれません。このように、サンクコストに囚われすぎると、新しい機会や選択肢を見逃してしまう危険性があります。したがって、過去に投じたコストを客観的に評価し、それが現在や未来の選択にどれだけ影響を与えるべきかを慎重に考慮することが重要です。

マーケティング施策の例:

ロイヤリティプログラム

サンクコストの概念は、顧客ロイヤリティプログラムに活かされることが多いです。顧客がすでに時間やお金を投じてポイントを貯めている場合、そのポイントを使わない選択はサンクコストを「無駄」にすることに繋がると感じ、引き続きそのサービスや商品を利用する傾向があります。

サブスクリプションモデル

特に月額や年額でサービスに料金を支払っている場合、サンクコストが心理的なプレッシャーとなり、サービスを継続する選択を促します。例えば、NetflixやSpotifyのようなサブスクリプションサービスは、一度契約すると解約が心理的に難しくなる場合があります。

限定版やアップグレード製品

すでに一定量のお金や時間を使ってある製品やサービスを利用している場合、限定版やアップグレード版への移行はサンクコストが影響する可能性があります。人々は「せっかく使ってきたのだから、次もこれを使おう」と考えることが多いです。

フリートライアルと継続利用

無料トライアルを経て有料プランに移行する際も、サンクコストが作用します。無料でサービスを試して気に入り、時間を投資した場合、その時間(サンクコスト)を無駄にしないようにと有料プランに移行する選択をする人が多いです。


以上がサンクコストに関連するマーケティング施策の例です。この心理的な側面を理解することで、効果的なマーケティング戦略を構築できるでしょう。ただし、サンクコストがあまりにも強く作用すると、消費者が不本意な選択をしてしまう可能性もあるため、バランスを取ることが重要です。