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ドアインザフェイスとは?

ドアインザフェイスの概要

ドアインザフェイス(Door-in-the-Face)効果とは、最初に非現実的な大きな要求を出して拒否された後、小さな要求に切り替えるテクニックです。この戦略は、相手が小さな要求を承認しやすくする心理的なメカニズムに働きかけます。

身近な例

たとえば、あなたが友達に「今週末、引っ越しを手伝ってくれないか?」と頼み、断られたとしましょう。その後で「じゃあ、車で荷物を運んでくれるだけでいいんだけど、それならどう?」と小さな要求に変更すると、友達は最初の大きな要求と比較して小さいと感じ、協力する確率が高くなります。

別の例として、募金活動があります。初めて人々に対して「1000ドル寄付していただけますか?」と大きな要求をし、断られた後で「それでは10ドルでもよろしいでしょうか?」と小さな要求に変えると、より多くの人が寄付する可能性が高くなります。

注意点

ドアインザフェイス効果は効果的なテクニックではありますが、誤用すると逆効果になる可能性もあります。特に、最初の要求があまりにも非現実的すぎると、相手に不信感を抱かせてしまう可能性があります。また、このテクニックが頻繁に使われると、相手がそれに気づき、効果が薄れることも考慮する必要があります。

さらに、文化や社会的な背景によっては、このテクニックの効果が異なる可能性があるので、その点も注意が必要です。

マーケティング施策の例:

ドアインザフェイス効果は、商業的な環境でも多くの応用例があります。この心理的テクニックを使うことで、消費者の行動を効果的に誘導することができます。

価格設定における戦略

商店やオンラインショッピングサイトでは、高価な商品を先に提示した後、より手頃な価格の商品を提案することで、購入確率を高めることができます。消費者は初めの高価な商品と比較して、次に提案される商品がリーズナブルに感じるためです。

募金活動や寄付

多くの非営利団体は、大口寄付を最初に求めた後、より少額な寄付に切り替える戦略を取ります。これにより、寄付者は少額の寄付でも大きな貢献をしていると感じ、寄付の確率が高まります。

サービスのアップセル

フリーミアムサービスや体験版ソフトウェアを提供した後に、有料プランを提案する際にもこのテクニックは有用です。初めの無料オファーと比較して、有料プランの費用がそれほど高くないと感じることで、購入意欲が高まります。

会員登録や購読

メディアやコンテンツプロバイダーは、高額な年間会員費を最初に提示した後、月額プランに切り替えることで、会員登録の確率を高めることが多いです。これにより、消費者は月額プランがお得に感じ、登録する確率が高くなります。

このテクニックを使用する際は、初めの要求が極端に高すぎないよう注意が必要です。消費者が不信感を抱くと、全体の戦略が失敗に終わる可能性があります。また、一度に多くのテクニックを使いすぎると、消費者がそれに気づいてしまい、効果が薄れる恐れがあります。


マーケティング施策においても、ドアインザフェイス効果は慎重に適用すべき手法ですが、正しく使えば販売促進や顧客獲得に非常に有効です。