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デコイ効果とは?

デコイ効果の概要

デコイ効果(Decoy Effect)とは、消費者が選択する際に、選択肢の中に「デコイ」を追加することで、特定の選択肢が選ばれる確率を高める心理学的な現象です。一般に、デコイは主要な選択肢よりも劣っているものとされ、その存在によって他の選択肢が相対的に良く見えるようになります。
なお、デコイ効果は「おとり効果」とも呼ばれます。

身近な例

デコイ効果の最も簡単な例は、映画館のポップコーン販売です。小サイズが300円、中サイズが500円、そして大サイズが510円としましょう。この場合、大サイズは中サイズよりもほんの少し高いだけであり、中サイズがデコイとなって、大サイズを選ぶ人が増えると考えられます。つまり、中サイズの存在が、大サイズの価値を高め、より多くの人々が大サイズを選ぶように促します。

注意点

デコイ効果は非常に強力な影響を持ちますが、誤って使うと消費者に混乱を与え、選択を避ける結果を生む可能性があります。特に、選択肢が多すぎると、消費者は選択肢を簡単に比較できなくなり、結果的に購入を見送ることが多くなります。また、デコイ効果を利用する場合は、その施策が法的な問題を引き起こさないか、慎重に検討する必要があります。

マーケティング施策の例:

プライシング戦略

デコイ効果は最もよくプライシング戦略で使用されます。例えば、レストランのメニューや電子商取引サイトでは、中間の価格帯の商品をデコイとして位置づけ、より高価な商品やサービスを魅力的に見せることがあります。

商品バンドリング

商品バンドリングもデコイ効果を用いた施策の一つです。例えば、単品よりも多少高価でも、追加のアイテムがついてくるセット商品を提供することで、単品よりもセット商品が選ばれやすくなります。

アップセリングとクロスセリング

顧客が商品を選ぶ過程で、わずかに高価でも性能が良い商品(アップセリング)や関連する他の商品(クロスセリング)を提示することで、デコイ効果を最大化することができます。

メンバーシッププラン

定期購入やサブスクリプションサービスでもデコイ効果は有効です。基本プランとプレミアムプランの間にある中間プランをデコイとすることで、多くの人がプレミアムプランを選ぶ確率が高くなります。

オンライン広告

デジタルマーケティングにおいても、デコイ効果はよく用いられます。例えば、無料プランと有料プランがあるサービスで、無料プランに限りが多い場合、有料プランの価値が高く見え、クリック率やコンバージョン率が上がることがあります。


以上のように、デコイ効果は多くのマーケティング施策で利用されています。ただし、消費者の選択を尊重し、誤解を生むような施策を避けることが重要です。確実な効果を得るには、戦略を慎重に計画し、継続的にデータを分析する必要があります。