店舗を新規開業する際、電話回線やインターネット回線、Wi-Fi環境の整備は重要な準備項目の一つです。
お客様からの問い合わせ対応や予約受付、キャッシュレス決済や業務効率化など、通信インフラが整っていることは店舗運営に直結するメリットがあります。
本記事では、電話回線の種類と導入手順、インターネット回線の選び方、Wi-Fi環境の整備、電話機・複合機の選定ポイント、導入コストと維持費の目安、申し込み手順と開業スケジュールについて、初心者にも分かりやすく解説します。
電話回線の種類と導入手順

店舗で利用できる電話回線には、大きく「固定電話回線」「IP電話回線」「携帯電話回線」の3種類があります。それぞれ特徴やメリット・デメリットが異なるため、店舗のニーズに合わせて選びましょう。
回線種類 | メリット | デメリット | 適した業種 |
---|---|---|---|
固定電話 (アナログ回線) | 市外局番つきの固定番号が取得可能で信頼感◎。通信が安定し、停電時でも利用可。 | 初期費用・基本料がやや高め。工事完了まで時間要。 | 地域密着の店舗全般(信頼感重視)。電話予約や問い合わせが多い業種。停電時も電話を使いたい場合。 |
IP電話 (ひかり電話等) | 月額コストが低く通話料も安い。市外局番つき番号も取得可能で信用面も確保。光回線利用で通話品質も良好。 | 光回線が必須で停電時は利用不可(機器の電源が落ちると通話不能)。インターネット環境依存。 | コスト重視の店舗や、光回線を導入済み/導入予定の店舗。複数拠点やリモート対応でクラウドPBX等を活用したい場合。 |
携帯電話回線 | 導入が手軽で開業直後でもすぐ用意できる。外出中でも着信対応可能など柔軟性あり。 | 1回線につき1台のみの通話で同時対応不可。番号が携帯だと信用度で劣る場合あり。通話料がプランによっては割高になることも。 | 開業準備期間が短い場合の暫定措置。一人経営や外回り中心で固定電話設置が不要な業態。将来的に固定/IP電話を導入するまでのつなぎ。 |
- 固定電話(アナログ電話)回線:
伝統的なNTT加入電話などのアナログ回線です。地域の市外局番(例えば東京なら「03」)を持つ番号が取得でき、店舗の所在地の信頼性を示せるメリットがあります。特に開店直後に連絡先が携帯番号だけだと、個人経営の印象が強くお客様が電話をかけるのを躊躇する場合があります。そのため、固定電話番号を用意することでお客様に安心感を与えられます。アナログ回線は安定性が高く停電時でも利用できる強みがありますが、新規導入時には電話加入権(施設設置負担金)約39,600円(税込)が必要となり、月額基本料も地域によりますが事務用で2,500円前後かかります。また工事も伴うため開通までに時間を要する点に注意が必要です。 - IP電話回線:
インターネット回線を利用した電話サービスです。NTTの「ひかり電話」やプロバイダ提供の050番号サービス、クラウドPBXなどが該当します。光回線を使うIP電話では音声もデータ化されるためクリアな通話品質が得られ、通話料も距離に関係なく全国一律で安価になります。例えば、携帯電話から固定電話へかけると3分132円程度の通話料がかかるのに対し、ひかり電話なら3分8.8円と大幅に安く済みます。基本料も安く、NTTひかり電話の場合は初期工事費が約3,300円、月額基本料は550円~と低コストで利用可能です。市外局番付きの番号も取得できるので信用面でも有利です。ただし利用には光インターネット回線契約が前提となり、停電時はモデムやルーターの電源が落ちると通話できないというデメリットがあります。IP電話導入手順としては、まず光回線を契約し(詳細は後述)、合わせてひかり電話等を申し込みます。工事日程調整後、回線終端装置やIP電話アダプタの設置・設定を行えば利用開始できます。 - 携帯電話回線:
店舗の連絡先をスマートフォンなどの携帯番号にする方法です。固定回線を引かずに手軽に始められ、工事不要で即日開通できる利点があります。外出中でも着信を受けられる柔軟性も魅力です。しかし、同時に複数の電話対応ができない(携帯電話1台につき1回線のため、通話中は他の電話を受けられない)という制約があります。固定電話回線では、複数回線の契約やビジネスフォン(構内交換機)を導入することで、同時に複数の通話に対応することも可能です。そのため、予約電話が重なっても柔軟に対応できます。また、番号が携帯電話だとお店の信用度で不利になるケースもあります。導入手順はシンプルで、携帯キャリアと契約して新しい電話番号を取得するか、既存のスマホに追加で事業用の番号発行サービス(デュアルSIMや050アプリなど)を利用する方法があります。すぐに開業したい場合の暫定措置としては有効ですが、長期的には上記の固定電話やIP電話サービスの導入を検討する方が良いでしょう。
【電話回線のポイント】
固定電話回線を新規契約する場合、NTTなど電話会社への申し込み⇒工事日程調整⇒宅内工事という流れになります。アナログ回線の場合は電話機設置のみで即利用可能ですが、ひかり電話の場合は先に光回線の開通工事が必要です。携帯回線はショップやオンラインで契約すればSIMカードや端末を入手でき、その日から使えます。店舗の電話はお客様対応に直結するため、開業までに確実に開通しておくことが大切です。番号が決まったら名刺やチラシ、看板への記載なども漏れなく行いましょう。
インターネット回線の選び方

次に、店舗で利用するインターネット回線についてです。主な選択肢として「光回線」「モバイル回線(無線通信)」「ケーブルテレビ回線」が挙げられます。それぞれ速度や安定性、費用、導入難易度が異なりますので比較してみましょう。
回線種類 | メリット | デメリット | 適した業種 |
---|---|---|---|
光回線(FTTH) | 非常に高速かつ安定(専用回線、通信量無制限)。大容量データ通信や決済端末・防犯カメラの常時接続もストレスなし。 | 開通まで時間がかかる。提供エリア外の地域では利用できない。 | ほぼ全ての店舗に最適。特にキャッシュレス決済や防犯カメラなど常時ネット接続が必要な業種。将来的な拡張性重視の場合。 |
モバイル回線(ポケットWi-Fi・ホームルーター等) | 工事不要で導入が迅速。持ち運び可能で設置場所を選ばない柔軟性。光回線工事待ちの代替手段にもなる。 | 有線に比べ通信が不安定(建物構造や利用集中で速度低下)。「無制限」でも大量利用時は速度制限のリスクあり。 | 光回線工事が間に合わない場合の一時利用や、通信利用がごく少ない小規模店舗。移動販売など設置場所が定まらない事業。 |
ケーブルテレビ回線(CATVネット) | 光回線未提供エリアで利用可能。既存のテレビ配線を使えるため導入が比較的容易。テレビ契約とセットでコストメリットあり。 | アップロード速度が遅め。地域の利用状況により速度変動しやすい。光回線に比べると通信品質で劣る。 | 光回線が利用できない地域での店舗。地域のCATV会社を既に利用中、またはテレビサービスも含め契約したい場合。予算やエリア制約で光回線の次善策とするケース。 |
- 光回線(FTTH):
光ファイバーを使った固定のブロードバンド回線です。通信速度は最大1Gbps~10Gbpsと非常に高速で、アップロード・ダウンロードともに安定しています。店舗など事業用途のインターネット回線としては最もおすすめの選択肢です。大容量のデータ通信やクレジット決済端末・防犯カメラの常時接続などもストレスなく行えます。また光回線は基本的に通信量の上限がなく使い放題なので、短期間の大量通信による速度制限などもありません。一方で開通には工事が必要で、建物によっては引き込みに時間がかかる場合があります(通常申し込みから2~4週間程度)。費用面では、初期工事費がキャンペーンで無料~数万円程度、月額料金は戸建てプランで5,000円前後、マンションプランで3,000~4,000円程度が相場です。安定性・速度・将来的な拡張性を重視するなら光回線を選びましょう。 - モバイル回線(無線系通信):
工事不要で利用できる無線インターネットです。具体的にはモバイルWi-Fiルーター(ポケットWi-Fi)やホームルーター(据え置き型LTE/5Gルーター)、スマートフォンのテザリング機能などがあります。開通までの手軽さがメリットで、端末を入手して電源を入れればすぐにネット接続が可能です。しかし通信の安定性や速度は光回線に劣るケースが多いです。建物の構造や周囲の電波状況によっては通信が不安定になったり、時間帯によって速度低下が起きたりします。また「使い放題」と謳われるプランでも、実際には一定以上のデータ通信で速度制限がかかることがあり、業務で大量のデータ送受信をすると制限に達してしまうこともあります。月額料金は端末込みで4,000~5,000円程度が多く、データ容量無制限プランほど高額になります。開業準備期間が短く、光回線工事が開業日に間に合わない場合は一時的にモバイル回線で代用する方法もあります。しかし、業務で使う通信量がごく少ないケースを除き、常設の店舗回線をモバイル回線だけで運用するのはリスクが高いでしょう。 - ケーブルテレビ回線(CATVネット):
ケーブルテレビ会社が提供するインターネットサービスです。テレビ同軸ケーブルを使ってインターネット接続するもので、提供エリア内であれば光回線の代替として利用できます。通信速度はサービスにより様々ですが、下り数十~数百Mbps程度が一般的で、近年は1Gbps対応プランを持つ事業者もあります。ただしアップロード速度は光に比べて低めで、地域の利用状況によっては速度が変動しやすい傾向があります。メリットは、建物にテレビ配線があれば導入が比較的容易な点と、テレビサービスとのセット契約で割引が利く場合がある点です。費用は月額3,000~6,000円程度(テレビ込みの料金設定の場合も)で、事業者ごとに異なります。光回線がエリア外の場合や、テレビも含めて契約したい場合の選択肢となります。品質面では光回線に軍配が上がるため、光が利用できるならそちらを優先した方が良いでしょう。
【インターネット回線選びのポイント】
光回線・モバイル回線・ケーブル回線の中では、安定性と速度重視なら光回線一択です。開業後のキャッシュレス決済端末の利用や顧客サービス(無料Wi-Fi提供、動画配信など)、防犯カメラの遠隔監視等を考えると、光回線の安定した高速通信が業務の土台となります。モバイル回線は工事不要の手軽さがありますが、通信品質面で不確実要素があるためメイン回線としては慎重に検討しましょう。ケーブル回線は地域限定ですが、光回線に次ぐ選択肢となります。店舗の所在地や建物設備状況を踏まえ、最適な回線を選んでください。
Wi-Fi環境の整備(業務用Wi-Fi導入とセキュリティ対策)

店舗内のネットワーク環境を構築する際は、Wi-Fi(無線LAN)環境もセットで整備すると便利です。
パソコンやタブレットによる在庫管理・事務作業、スマホでの情報検索や音楽配信、プリンターや決済端末の接続など、Wi-Fiがあることで配線なしに様々な機器をネットにつなげられ、業務効率が向上します。ここでは業務用Wi-Fi導入のポイントと、セキュリティ対策について解説します。
業務用Wi-Fi導入のポイント
まず、店舗の規模や構造に応じて適切な無線LANルーターまたはアクセスポイントを選定します。小規模な店舗であれば市販の高速Wi-Fiルーター1台で十分ですが、フロア面積が広い場合や障害物が多い場合は、中継器の設置や業務用アクセスポイントの複数配置も検討しましょう。設置場所は店内の中央付近で高い位置が望ましく、電波が隅々まで行き渡るようにします。設定面では、SSID(ネットワーク名)とパスワードを決め、暗号化方式はWPA2以上(可能であれば最新のWPA3)を有効にしておきます。初期状態のままではなく、推測されにくい複雑なパスワードを設定し、ルーターの管理画面ログイン用パスワードも初期値から変更してください。またルーターのファームウェア(内部ソフトウェア)は定期的に更新し、常に最新の状態に保つことも大切です。最新ファームへの自動アップデート機能がある機種なら活用しましょう。
セキュリティ対策
- ネットワークの分離:
業務用ネットワークと来客用フリーWi-Fiを別々に構成(ゲストネットワーク機能やVLAN設定を利用し、相互アクセス禁止)。万一フリーWi-Fi側から不正アクセスされても業務端末に侵入されないようにします。 - AP隔離の設定:
フリーWi-Fiではクライアント間通信の遮断(AP隔離)を有効にし、同一Wi-Fi利用者同士の端末が直接通信できないようにしてセキュリティリスクを低減。 - 利用者認証の導入:
フリーWi-Fi利用者にメールアドレス登録やSNS認証等の手続きを課し、誰が利用したか追跡できるようにします。不正利用時の抑止効果につながります。 - 安全対策の徹底:
小規模店舗では上記設定が難しい場合もありますが、可能な範囲でセキュリティを最優先に実施しましょう。コストや手間を優先して対策不十分なまま提供すると、万一情報漏えいが起きた際に店舗の信用失墜につながりかねません。
お客様向けフリーWi-Fiのメリットと注意点
- メリット:
無料Wi-Fiは若者やビジネス客、観光客など幅広い客層の来店動機になります。「Wi-Fiが使えるからその店を選ぶ」というお客様も少なくありません。 - デメリット:
Wi-Fi目当てで長時間居座るお客様が増えると、席の回転率が下がってしまう恐れがあります。 - 対策:
フリーWi-Fiを提供する場合は、時間制限を設けたりパスワードを定期変更したりして利用ルールで調整するとよいでしょう。自力での構築に不安がある場合は通信事業者や専門業者のサービスを利用する方法も検討できます。
いずれにせよ提供時にはセキュリティ対策とサポート体制を重視し、安全で快適な無線環境を整えることが大切です。
電話機・複合機の選定ポイント

通信回線の準備と合わせて、店舗で使うハードウェア(機器類)の選定も進めましょう。ここでは、電話機本体と、FAX・プリンター機能を持つ複合機について、選定時のポイントを解説します。
ビジネスフォン or 家庭用電話機?
「ビジネスフォン」とは、オフィス向けの多機能電話機や構内交換機(PBX)を含むシステムのことで、複数回線・内線通話・保留転送など高度な機能を備えています。対して家庭用電話機はいわゆる単体の固定電話機(コードレス子機付き電話など)です。小規模店舗の場合、基本的には家庭用電話機やコードレス電話機で十分なことが多いです。例えば回線が1本でスタッフも少人数であれば、安価な家庭用電話機でも着信応対や発信に支障はありません。最近は子機2台付きのコードレス電話機セットなどもあり、バックヤードと受付でそれぞれ子機を持って対応する、といった運用も可能です。
一方、予約電話が殺到するようなお店や、受話専用・発信専用など電話番号を複数使い分けたいケースでは、ビジネスフォンの導入を検討します。ビジネスフォンシステムでは1回線で同時に複数通話(着信保留や別電話機での代行応答)ができたり、内線で厨房とフロア間で連絡を取れたりといったメリットがあります。例えばメイン番号とは別に予約専用ダイヤルを用意し、電話が重なっても対応漏れを防ぐ、といった運用も可能です。規模によってはIP電話とクラウドPBXを組み合わせ、スマホを内線代わりに使うようなサービスを導入する手もあります。
費用面では、家庭用電話機は購入数千円~1万円程度と安価なのに対し、ビジネスフォンは機種や台数によりますが数万円~数十万円規模となります。新品ビジネスフォンを購入する場合、機器代や主装置(PBX)工事費など初期投資が高額ですが、リース契約を利用すれば初期費用を抑えて月額払いで導入することもできます。まずは店舗の想定通話量と必要機能を整理し、「家庭用電話機で十分か」「ビジネスフォンを入れる必要があるか」を判断しましょう。小さなお店で電話は予約受付のみ、といった場合は無理に高機能なものを入れず家庭用でコストを抑えるのも賢明です。
複合機購入 or リース?
店舗運営では、レシートや発注書のプリント、領収証のコピー、取引先とのFAX送受信など、紙の取り扱いもゼロにはならないでしょう。そこで検討したいのが複合機(コピー・プリンター・FAX一体型機器)です。選択肢として、家電量販店で売っているような家庭・SOHO向けの小型複合機を購入するか、オフィス向け大型複合機をリース契約するかがあります。
小~中規模店舗で印刷やFAXの量がそれほど多くない場合、数万円程度で購入できるインクジェット複合機やレーザー複合機で十分役立ちます。購入した場合は初期費用のみで、あとはインク・トナー代や紙代などランニングコストだけです。ただし消耗品や故障時の修理対応は自分で手配する必要があります。一方、印刷枚数が多かったりA3印刷や高速印刷が必要な業態(飲食店でメニューを大量印刷する、学習塾で教材を印刷する等)では、業務用複合機をリース契約する方が安心です。リースのメリットは、初期費用ほぼゼロで最新機種を導入でき、保守メンテナンスサービスが含まれる点です。毎月のリース料を経費計上でき、料金も固定されているためコスト管理もしやすくなります。契約期間(一般に5年前後)が終われば、新しい機種に入れ替えて再リースすることも可能です。
デメリットとして、リースだと総支払額は購入より割高になる傾向がありますし、中途解約ができないなど契約上の縛りもあります。また審査が必要な場合もあります。ざっくり印刷枚数が月500枚以下くらいであれば購入機でも十分ですが、1000枚以上使うようならリース機を検討する、といった目安になるでしょう。FAXについては、最近はメールやスマホアプリでFAXを送受信できる「インターネットFAX」サービスもあります。FAX利用がごく稀であれば物理FAX機にこだわらずそうしたサービスを活用する手もあります。
導入コストと維持費の目安

ここまで電話回線や機器類について述べてきましたが、導入にかかる初期費用と月々の維持費も把握しておきましょう。一般的な設備費(初期導入コスト)と月額料金の相場を以下にまとめます。
電話回線の費用
アナログ固定電話
アナログ固定電話を新設する場合、前述の通り加入権費用約39,600円+契約料880円が初期費用として必要です(NTT加入電話・ライトプランなら加入権不要だが月額が高め)。工事費も発生しますが、回線の引き込み状況により数千円~1万円程度です。月額基本料は地域等級により異なりますが約2,500円前後が目安。通話料は時間帯によって異なりますが、距離に関係なく全国一律で3分約8.5円程度(昼間料金)です。
IP電話(ひかり電話)
IP電話(ひかり電話)の場合、初期費用は工事費数千円(光回線工事と同時なら割引あり)、月額は基本料550円~と安価です。通話料も全国一律で安く、例えば3分8.8円程度 。050番号のIP電話サービスでは基本料数百円とさらに安いものもあります。
携帯電話
携帯電話を店舗用に使う場合は、端末代(数万円、分割なら月々数千円)と月額料金(プランによるが音声通話プランで2,000~5,000円程度)がかかります。家族割や法人割引などを活用すると多少安くできます。
インターネット回線の費用
光回線
光回線は初期費用(工事費)が0~20,000円程度(キャンペーンで実質無料になることも多い)、月額料金はプロバイダ料込みで4,000~6,000円程度が相場です。マンションタイプか戸建タイプかで異なります。
モバイルWi-Fi
モバイルWi-Fiの場合、端末代0~20,000円(契約内容による)、月額3,000~5,000円程度(データ無制限プランは高め)です。
ケーブルネット
ケーブルネットは初期契約手数料数千円+工事費1~2万円程度、月額4,000円前後(地域やテレビ契約有無で変動)となります。
Wi-Fi環境自体のコストは、無線LANルーターの購入費用(市販品で1~2万円程度)と電気代ぐらいで、月々大きな負担はありません。業者に依頼してフリーWi-Fi認証システムなどを導入すると初期数万円+月額数千円といった費用が発生しますが、通常は自前で設定可能です。
電話機・複合機の費用
電話機
家庭用電話機は購入5,000~15,000円程度、ビジネスフォンは機種構成によりピンキリですが、小規模オフィス用2台セット+主装置で新品購入20~30万円前後、リースなら月額5,000円前後~(契約年数による)といった例があります。一括購入は初期費用が高い代わりにその後の費用負担が少なく、リースは初期を抑えられますが総額は割高になる傾向です。
複合機
複合機は家庭用は2~5万円で購入可能です。トナーやインク代は印刷枚数次第ですが、モノクロ1枚あたり5~10円程度と見積もっておくと良いでしょう。業務用複合機はリース月額1万~2万円+カウンター料金(印刷1枚あたり数円)という料金体系が一般的です。こちらも使用量によりますが、月500枚程度なら家庭用機で十分、1,000枚以上使うならリース機がコストに見合うイメージです。
以上はあくまで目安ですが、通信インフラ整備にはトータルで初期数万円~十数万円、月額数千円~1万円台のランニングコストがかかると見積もっておきましょう。開業当初は何かと出費が重なりますので、無理のない範囲で計画しつつ、可能な部分はキャンペーン適用や安価なサービス活用でコスト圧縮を図ると良いです。
申し込み手順と開業スケジュール

最後に、電話・インターネットの契約申し込み手順と、開業準備期間内にそれらを完了させるスケジュール管理のポイントを説明します。開業日直前になって「ネットが開通していない」「電話がつながらない」という事態は避けなければなりません。計画的に進めましょう。
【申し込み手順の一般的な流れ】
- サービス内容の検討・選択 – まず電話回線種別(アナログかひかり電話か等)やインターネット回線の種類を決め、希望する通信事業者やプランを選びます。エリア対応状況もここで確認します。例えば光回線が使える地域か、ケーブルテレビ網があるかなどを調べます。
- 事業者へ申し込み連絡 – 希望の通信事業者(NTTやケーブル会社、プロバイダ等)の窓口に連絡します。最近はWebサイトの申し込みフォームや電話で受付が可能です。電話とインターネットを同時に申し込む場合、一括で手続きできる代理店窓口などもあります。
- 契約内容の確認・申込手続き – 申込にあたって、契約者情報や設置住所、建物状況など必要事項を伝えます。法人名義なら登記情報の提出を求められる場合もあります。選択したプランの内容・料金を確認し、問題なければ契約手続きを進めます。オンライン申し込みでは画面上で入力・確定し、初期費用の支払い(クレジット決済や口座振込)を行います。対面の場合は申込書類に記入捺印します。
- 工事日程の調整 – 申し込み後、担当部署から工事日の案内連絡があります。光回線やアナログ回線の開通には現地工事が必要なため、希望日を伝えて調整します。NTTの光回線工事は予約制で、申込から約2~3週間先以降の日程が提示されるのが一般的です。引越しシーズンや繁忙期だとさらに先になる可能性もあるので、なるべく早めに予約を入れましょう。急ぎの場合はまず工事日だけでも確保することが大切です。
- 開通工事の実施 – 予約した日に技術者が訪問し、回線の引き込み工事や終端装置の設置を行います。光回線工事は通常1時間程度で完了します。作業中はずっと立ち会う必要はありませんが、開始時と完了時に確認がありますので、担当者は店舗にいるようにしましょう。もし日中不在の場合は、土日祝の工事も可能ですが追加費用(NTT東日本の場合+3,300円)が発生します。工事が完了し回線が開通したら、用意していたルーターや電話機等を接続し、実際にインターネットや電話が使えるかテストします。
- 機器のセットアップ – 通信回線が開通したら、Wi-Fiルーターの設定やPC・POSレジのネット接続設定、電話機の動作確認、複合機のFAX送受信テストなどを行います。必要に応じてネットワークのSSIDとパスワードをスタッフに周知したり、電話の取次ぎルールを決めたりします。開業後すぐに本番運用できるよう、開業日の少なくとも1週間前までにはひと通りの通信環境セットアップを完了させておくと安心です。
【開業スケジュール管理のコツ】
開業準備期間中は物件契約、内装工事、各種許認可取得、仕入れ準備、広告宣伝など多くのタスクが並行します。通信関連は忘れがちですが意外と時間を要するため、計画に組み込んでおきましょう。
契約申し込み自体はオンラインで短時間で済みますが、問題は工事日程です。目安として開業予定日の1~2か月前には回線の申し込みを完了しておくのが理想です。特に繁忙期(3~4月や9月など)は工事予約が埋まりやすいので注意します。もし開業まで1か月を切ってしまった場合でも、ダメ元でも早めに申し込み、並行して代替策を用意しましょう。例えば光回線工事が間に合わない場合、一時的にポケットWi-Fiをレンタルして開業日に備える、電話は携帯で対応しつつ後日固定番号取得次第案内する、といったリカバリー策です。ただし可能な限り本番環境でオープンできるよう前倒しで準備することをおすすめします。
また、物件の管理会社やオーナーにも事前に「○月○日に通信回線の工事業者が入る」旨を伝えて許可を得ておくとスムーズです。ビルによっては工事車両の駐車や電気工事に制限がある場合もあります。複合機リースやビジネスフォン工事を業者に依頼する場合も同様に日程調整し、内装工事日程との干渉がないよう気を付けます。
まとめ
開業者にとって、電話・インターネット・Wi-Fi環境の整備は専門外で難しく感じるかもしれません。しかし本記事で述べたポイントを押さえて計画すれば、決して難しいものではありません。
信頼感の醸成:
固定電話や市外局番付きのIP電話を導入し、お店への信頼感を高める。
安定した通信環境:
開業後の業務を支えるため高速・安定な光インターネット回線を契約する。
安心なWi-Fi提供:
セキュアなWi-Fi環境を構築し、スタッフの業務効率化や来店客サービスに活用する。
お店の繁盛を通信面からもしっかりサポートしていきましょう。
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