新しく店舗や事業を始める際、採用活動は事業成功のカギを握る重要なステップです。
優秀な人材を採用し定着させることで、サービスの質の向上や組織の安定につながります。逆に採用に失敗すると、人手不足やスタッフの負担増により事業に悪影響が出かねません。本記事では、求人広告とSNSを活用して効果的に人材を集める方法から、面接の進め方や質問例まで、採用活動を成功させるポイントを分かりやすく解説します。
採用活動の重要性

事業の成功はスタッフの質に直結します。
特にサービス業では、スタッフの接客態度やスキルがそのまま顧客満足度につながります。飲食店やクリニックのような小規模店舗でも、人手不足や求人難は深刻な経営課題です。優秀な人材を確保し定着させることが、継続的な発展の鍵となります。
- 飲食店の採用課題:
外食業界では慢性的な人手不足が問題となっています。長時間労働や不規則なシフト、比較的低い賃金水準などから応募者が集まりにくく、採用しても定着せず離職率が高い傾向があります。求人広告を出しても応募が集まらず常に人手不足…という声も少なくありません。 - クリニックの採用課題:
医療業界でも有資格者や経験者の奪い合いが起きています。例えば医療事務や看護師などは競争が激化しており、年々優秀な人材の採用が難しくなっています。待遇面の改善(賃上げ)により他院との給与競争もあり、求人を出しても応募が少ない、定着しないといった課題に直面しがちです。
このように、開業したばかりの事業者にとって採用活動は非常に重要です。
優秀な人材はお店の成長エンジンになり得ますし、逆に採用に失敗すると既存スタッフの負担増やサービス低下を招きかねません。効果的な求人広告とSNS活用による具体的な採用手法を見ていきましょう。
求人広告の活用方法

はじめに、求人広告の活用方法を見ていきましょう。現在、無料から有料まで様々な求人媒体が存在します。それぞれの主な特徴を以下に比較してみます。
主な求人広告媒体
| 媒体 | 特徴・メリット |
|---|---|
| Googleしごと検索 | Google検索に連動して求人情報が表示されるサービス。 検索結果の上部に「求人枠」として表示されるため、 求職者の目に留まりやすい。無料で利用でき、対応サービスを利用すれば簡単連携可能 |
| Indeed | 世界最大級の求人検索エンジン。他社サイトやハローワークの求人も横断検索できる。 求人数・利用者数ともに非常に多く、職種や業種を問わず幅広く募集可能。 無料掲載もできるが、スポンサー広告(有料)で上位表示させることも可能。 |
| ハローワーク | 国が運営する公共職業安定所の求人サービス。 地元で仕事を探す求職者にも認知度が高く、幅広い年齢層にアプローチ可能。 対面窓口での手続きや相談もでき、初めて採用する場合も安心。完全無料で利用できる。 |
| 求人サイト | 医療・介護、飲食、ITなど業種に特化した求人サイト。 専門人材が多数閲覧しており、マッチング精度が高い。 例:医療の「ジョブメドレー」、飲食の「クックビズ」など。 職種に特化したノウハウや求職者コミュニティを持つ。掲載プランに応じて有料 |
求人広告作成のポイント
媒体を選んだら、求人情報の内容もしっかり練りましょう。以下の項目は求職者が必ずチェックする重要ポイントです。
- タイトル:
職種や雇用形態が一目でわかるようにし、魅力的なキャッチコピーを入れます(例:「オープニングスタッフ募集!週休二日◎」など)。 - 仕事内容・応募資格:
実際に任せる業務内容を具体的に記載します。求めるスキルや資格、経験年数など応募条件があれば明示しましょう。仕事内容が明確だとミスマッチが減ります。 - 給与・待遇:
給与レンジや時給、諸手当、賞与の有無などをはっきり記載します。給与は求職者が特に重視するポイントなので、月給幅や昇給・賞与、福利厚生(社保完備、まかない有り等)も具体的に示すことが大切です。 - 勤務時間・シフト:
営業時間やシフトパターン、週何日からOKか、残業の有無など働き方の条件も具体的に。特に飲食やクリニックでは週末勤務や夜勤の有無など重要です。 - 職場のアピールポイント:
社風や働くメリットも伝えましょう(例:「駅チカ徒歩5分」「研修充実で未経験歓迎」「スタッフは皆20代で明るい職場」など)。企業文化が伝わると応募者の不安を減らせます。
掲載のタイミングとコスト管理
求人広告を活用するためには、タイミングとコスト管理も重要です。
- 掲載のタイミングと継続運用:
求人募集を開始する時期も工夫しましょう。一般的に求職者が増えるのは2~3月や9~10月と言われます。年度末・年度初めは退職・転職が増えるため応募も活発になる傾向があります。ただし、同時に競合他社の求人も増えるため、募集が埋もれやすい時期でもあります。一方、閑散期(求人の少ない時期)は求職者数自体は減るものの、その分ライバル求人も少なく目立ちやすい利点があります。 - コスト管理:
複数の媒体を併用するときは、予算配分も考えましょう。まずは無料で使えるハローワークやGoogleしごと検索、自社SNSなどを活用し、費用対効果を測りながら有料広告(Indeedのスポンサー、専門サイトの掲載プラン等)に投資するのが堅実です。応募状況をみて掲載期間を延長したり、逆に反響が薄い媒体は停止するなど、PDCAを回して最適なコスト配分を探ってください。
SNSを活用した採用手法

求人媒体だけでなく、SNS(ソーシャルメディア)も強力な採用チャネルになります。
InstagramやX(旧Twitter)などで発信し、求人情報を拡散することで、求職中でない優秀な人材にもアプローチできます。またSNSは基本無料で使えるため低コストで運用でき、企業の魅力発信やブランディングにも役立ちます。ここでは主要なSNS別に活用ポイントを紹介します。
- Instagram(インスタグラム):
写真や動画で職場の雰囲気を伝えるのに最適な視覚的SNSです。例えば店舗スタッフが働いている様子や社員同士の集合写真、院内の設備紹介などを投稿し、「働くイメージ」を持ってもらいましょう。ハッシュタグも活用できます(例:#求人募集中 #○○店スタッフ募集 など)。ストーリーズやリール機能で日常の一コマを載せれば、フォロワー以外にも表示され認知度アップにつながります。フォロワー数が少なくても、ハッシュタグやリールで拡散が期待できます。むしろ閲覧者が行動を起こしやすい投稿設計を意識し、応募フォームへの導線を明確にすると効果的です。 - X(旧Twitter):
拡散力が高く、短文で手軽に情報発信できるSNSです。求人募集の告知ツイートを定期的に流したり、店舗の日々の出来事(「本日ランチ満席でした!」など)と合わせて募集案内をツイートすると良いでしょう。社員やスタッフの日常をつぶやくことで親近感を与え、リツイートによって予想外に広く拡散する可能性があります。応募フォームや求人ページのURLを貼り付けておけば興味を持った人がすぐアクセスでき便利です。応募者からの問い合わせをDM(ダイレクトメッセージ)で受け付けるなど、双方向のやりとりにも活用できます。 - TikTok(ティックトック):
若年層への訴求に強い動画SNSです。15秒~1分程度の短い動画で職場の魅力を発信できます。例えば飲食店なら「厨房の1日」を早送りで見せたり、スタッフみんなでダンスするユニーク動画などエンタメ要素を交えて注目を集めましょう。社員も動画に登場すれば、職場のリアルな雰囲気が伝わり、見る人に親近感を与えられます。TikTokの投稿がバズれば、一夜で数万の視聴者にリーチできます。結果的に『こんな楽しい会社で働きたい!』と応募が来る可能性も生まれます。 - LINE(ライン):
多くの人が日常的に使うコミュニケーションアプリです。企業のLINE公式アカウントを開設し、友だち追加してくれた求職者に向けて求人情報を発信する方法があります。LINEはメールより開封率が高く、通知も届きやすいため、必要な情報をダイレクトに届けやすいのがメリットです。例えば新しい求人ポストを公開したらLINEで「新規スタッフ募集のお知らせ」を配信したり、興味を持った人から個別チャットで質問を受け付けたりできます。また、既存の顧客向け公式アカウントで「実はスタッフ募集中です」と告知すれば、お店のファンが応募してくれるケースもあるでしょう。LINEを採用活動に取り入れることで候補者とのコミュニケーション速度が格段に上がり、双方向のやりとりもしやすくなります。
SNS活用のポイント
SNS採用では「企業アカウントの世界観を統一する」「定期的に更新する」ことが大切です。
採用目的のアカウントを作る場合、プロフィールに募集職種や応募方法を明記し、投稿でも折に触れて募集情報を案内しましょう。ただし求人情報の投稿ばかりでは敬遠されてしまうので、普段は職場の魅力発信をメインに据え、時々募集告知を挟むくらいが理想です。
またSNS上で企業ブランドの信頼を得るには、コメントへの丁寧な返信や日々の発信内容が重要です。応募が来たら迅速に対応するなど、応募前からコミュニケーションは始まっていると意識しましょう。
最後に、SNSは拡散力がある反面、不特定多数に情報が行き渡るため公開内容には注意が必要です。社内の機密事項や個人情報が写り込まないようにし、ネガティブな投稿は避け、常に企業の良いイメージを損なわない運用を心がけてください。
面接の進め方と質問例(チェックリスト付き)

いよいよ応募者が集まったら、次は面接による選考です。
面接では書類だけでは分からない人柄や熱意、適性を見極めるチャンスとなります。ここでは面接の基本的な流れと、優秀な人材を見極める質問例、さらに面接時に確認すべきポイントをチェックリスト形式で解説します。
面接の基本フロー
- 事前準備
応募者の履歴書・職務経歴書に目を通し、質問事項を用意します。募集職種ごとに「ここだけは確認したいポイント」を整理しておきましょう。必要ならチェックリストを手元に準備します。 - 受付・導入
応募者が来訪したら笑顔で挨拶し、リラックスできるよう雑談を交えます(「本日はお越しいただきありがとうございます」など)。氏名や経歴の再確認を行い、面接開始を宣言します。 - 会社・仕事の説明
はじめにこちらから会社概要や募集ポジションの仕事内容、勤務条件を簡潔に説明します。応募者にとっても不明点が減り、ミスマッチ防止につながります。 - 質疑応答(応募者への質問)
準備しておいた質問を投げかけ、応募者の回答を引き出します。後述の「質問例」を参考に、できるだけ具体的に深掘りしましょう。メモを取りつつ、表情や態度にも注目します。 - 逆質問
「最後に何か質問はありますか?」と応募者からの質問を受け付けます。応募者が疑問を解消できるよう丁寧に回答しましょう。この場で応募者の関心ポイントも把握できます。 - 終了案内
面接時間が来たら終了を伝えます。「本日はありがとうございました。結果は○日以内にご連絡します」など合否連絡の方法とタイミングも案内します。最後に笑顔で見送りましょう。
良い人材を見極める質問例
- 志望動機:「なぜ当店(当院)で働きたいと思いましたか?」
→ 意図: 応募者の価値観や本気度を確かめます。会社の理念や特徴に共感しているかを見ることで、入社後の定着度合いも予測できます。 - 前職の退職理由:「前のお仕事を辞めたのはなぜですか?」
→ 意図: 転職理由から、自社でも同じ理由で辞めてしまわないかを判断します。例えば「人間関係が原因」なら当社のチームになじめるか、「体力的に辛かった」なら業務遂行に問題ないか、といったリスクを探ります。短期間で転職を繰り返している場合は詳しく理由を聞き、注意深く見極めましょう。 - 経験・スキル:「これまでに経験した業務や得意なスキルを教えてください」
→ 意図: 即戦力度合いやマルチな対応力を確認します。小規模店舗では一人ひとりに求める範囲が広いため、経験やスキルはできるだけ詳しく確認しましょう。必要に応じて簡単な実技テストやトライアルをお願いするのも有効です。 - 仕事観・価値観:「仕事をする上で大切にしていることは何ですか?」
→ 意図: 応募者の人柄や働く上での価値観が、自社の風土とマッチするかを探ります。協調性やホスピタリティ精神、向上心など、職種によって重視したい要素があります。クリニックなら「患者さんへの接し方で心がけていること」なども質問し、医療従事者としての適性を見ると良いでしょう。 - 勤務条件の確認:「週何日・どの時間帯に入れますか?土日勤務は可能ですか?」
→ 意図: 勤務シフトの希望を確認し、必要人員を満たせるか見ます。特に飲食店では繁忙期(GWや年末年始)に入れるか、早朝・深夜シフト対応可否などを必ず確認します。クリニックでも「午前のみ希望」などがあれば配置計画に影響するため重要です。 - 給与・待遇の希望:「給与面で希望はありますか?」
→ 意図: ミスマッチ防止のため待遇面の擦り合わせをします。言い出しにくい質問ですが、特に経験者採用の場合は現職給や希望年収をそれとなく確認しておくと良いでしょう(無理に聞き出す必要はありません)。入社後の待遇ギャップで早期退職…を防ぐためにも重要です。 - 逆質問:「何か質問や気になる点はありますか?」
→ 意図: 応募者が会社に対して抱く疑問や関心を知ることができます。例えば福利厚生について質問するなら安定志向、成長機会についてなら向上心が強い等、人物像の補足情報になります。また逆質問を用意しているかどうかで準備・熱意の度合いを測る面接官もいます。
以上は一例ですが、応募者の経歴や応募理由に応じて柔軟に質問をアレンジしてください。大切なのは表面的な答えに留まらず深掘りすることです。また、質問の合間に相槌を打ったり共感を示すことで、本音を引き出しやすい雰囲気づくりを意識しましょう。
面接チェックリスト(面接官向け)
面接の際に確認すべきポイントをまとめました。以下の項目を念頭において臨むことで、見落としや判断ミスを減らせます。
- 応募者情報の最終確認:
履歴書の基本情報に間違いがないか、資格証や免許証が必要な職種では原本確認を行う。 - 応募者の第一印象:
身だしなみ(清潔感の有無)、表情や挨拶の様子はどうか。面接時間に遅刻なく来ているかもチェック。基本的なビジネスマナーが備わっているか評価します。 - 志望度の高さ:
質問に対する回答内容から、本当に当社で働きたいのか熱意を感じられるか。「御社が第一志望です」等の発言だけでなく、事前に会社のことを調べているか、具体的な質問をしてくるかなどから判断。 - スキル・経験の裏付け:
履歴書に書かれた経験について深掘りし、どの程度のレベルか確かめる(「○○が得意」とあれば具体的な成果やエピソードを尋ねる)。必要に応じて簡単な実技チェックを行い、スキルを検証する。 - 勤務条件のすり合わせ:
勤務開始可能日、勤務可能な曜日・時間帯、残業や休日出勤への対応など、採用後の働き方について食い違いがないか確認する。特にシフト制の場合は細かくヒアリング。 - 人柄・カルチャーフィット:
質問への受け答え以外にも、受け答えの態度やコミュニケーション能力を観察。笑顔でハキハキ答えられるか、考え込んでも誠実に対応しようとしているか等を見る。小規模職場では人間性の相性も重要なので、現場スタッフとも違和感なくやれそうかイメージしましょう。 - 転職回数・離職理由の注意点:
短期間での転職歴が多い場合、その理由が当社でも起こり得るものか確認。「人間関係ですぐ辞めている」なら自社の職場環境を正直に伝え、耐えられそうか見極めます。無理に突っ込む必要はありませんが、リスクファクターは押さえておきます。 - 仕事内容・待遇の説明と念押し:
応募者に対して、改めて重要な勤務条件や仕事内容を説明し了承を得る。例えば力仕事があるなら「体力的に問題ないか」、ノルマがあるならその旨伝えるなど。入社後に「聞いていなかった」とならないよう、リスクは事前に共有します。 - 応募者の質問への回答:
応募者からの逆質問には丁寧に答え、疑問や不安をできるだけ解消してあげる。答えにくいことも誠実に対応することで、応募者側も入社後のミスマッチを避けられます。 - 合否連絡の案内:
面接終了時に結果連絡の方法(電話かメールか)と時期を伝える。採用の場合の今後の流れ(書類送付や健康診断など)も簡単に予告しておくと親切です。
以上をチェックリストとして活用し、面接を進めれば、大きな抜け漏れなく選考を行えるでしょう。
面接官自身も緊張するかもしれませんが、応募者はもっと緊張しています。リラックスして話せる雰囲気づくりに努め、本音や人柄を引き出すことに専念してください。
まとめ:採用活動の成功に向けて

開業直後からの採用活動のポイントを振り返ると、求人広告とSNSという二つのアプローチを上手に組み合わせて活用することが重要です。求人媒体で募集をかけて広く人材を集めつつ、SNSで自社の魅力を発信して応募の母集団を増やす――この両輪が噛み合えば、優秀な人材と出会える確率は格段に高まります。
特に小規模店舗では、人材一人ひとりの影響が大きいため、採用後のフォローまで含めた一貫した戦略が必要です。採用後の定着・戦力化まで意識しましょう。入社時の丁寧なオリエンテーションや研修、先輩からのサポート体制を整えることで、新人が早く戦力になり長く働いてもらえる可能性が高まります。「せっかく採用したのにすぐ辞めてしまった…」という事態を防ぐためにも、働きやすい職場づくりやモチベーション維持にも力を入れてください。
最後に、採用活動は一度成功したら終わりではなく、継続的な取り組みが求められます。事業の成長やスタッフの入れ替わりは常に起こり得るため、余裕のあるうちから次の採用計画を立てておくと安心です。定期的に求人市場の動向をチェックし、自社の待遇やアピールポイントをアップデートし続けましょう。そうすることで、「このお店(会社)で働きたい!」と思ってもらえる魅力ある職場として認知され、自然と良い人材が集まる好循環が生まれるはずです。
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