結論として、MEO対策の会社は大きく「ツールを提供する会社」と「運用を代行する会社」の2タイプに分かれます。どちらが良い・悪いではなく、自店が「道具だけ欲しいのか」「運用ごと任せたいのか」で選ぶものです。あわせて、契約前に知っておきたい「上位表示」の仕組み(検索する地点で順位が変わること)も解説します。
MEO対策会社の2つのタイプ
MEOを支援する会社は、提供するものの中身で次のように分けられます。
ツール提供型
順位計測や口コミ管理などのツールを提供し、運用作業は店舗側で行うタイプです。自分で運用する時間と知識がある店舗に向いています。運用は自店で行うことになるため、使いこなせるかどうかが鍵になります。
運用代行型
アカウントを預かり、口コミ返信・投稿・写真更新などの運用を丸ごと代行するタイプです。運用の手が回らない店舗や、伴走してほしい店舗に向いています。任せきりにせず、報告と権限の所在を確認しておくことが大切です。
多くのトラブルは、この違いを理解しないまま契約することで起こります。まず、自店が求めているのはどちらかを決めるのが出発点です。弊社(360株式会社)は、店舗のGoogleビジネスプロフィールの運用を代行する立場で、チェーン店の運用や運用マニュアルの提供にも取り組んでいます(登録商標「マップでアップ®」/商標登録第6297102号)。
契約前に確かめたい「見極め質問」リスト
タイプを問わず、次を質問して、答えの具体性を見ます。あいまいにされる場合は慎重に。
- 料金に含まれる作業は具体的に何か(口コミ返信・投稿・写真・レポートはどこまでか)
- Googleビジネスプロフィールのオーナー権限は、店舗が持ち続けられるか(オーナー確認・権限の記事)
- 契約が終わったとき、権限やデータは店舗に戻るか
- 「上位」とは、どの地点で検索したときの順位を指すのか(次章)
- 報告は何を・どのくらいの頻度でしてくれるか
とくに運用代行型では、口コミへの返信をどこまで任せられるかも確認しておきたい点です。返信の書き方は悪い口コミへの返信の型と業種別の例文をまとめた記事で、費用の内訳の見方は料金体系の種類と契約前に確認する費用項目を整理した記事で解説しています。
「上位表示」の落とし穴:検索する地点で順位は変わる
MEOで見落とされがちなのが、Googleマップの順位は、検索する人がいる場所によって変わるという点です。店の中や店の前で自分で検索すると、距離が近いぶん上位に出やすくなります。しかし、それは離れた場所にいる見込み客に見えている順位とは別物です。「自分で検索したら1位だった」ことと、商圏の顧客に届いていることは、イコールではありません。

Googleは、地図検索の順位が主に「関連性・距離・知名度」で決まると公式に説明しています(Google ビジネス プロフィール ヘルプ:ローカル検索結果の掲載順位)。このうち「距離」があるため、検索地点によって順位が動きます。だからこそ、「上位に出る」と説明されても、どの地点での話かを確かめることが大切です。順位は多くの要因で変動し、保証できるものではありません。
地点ごとの順位は、店の周辺に格子状の計測点を置いて調べる方法(グリッド計測)で確認できます。弊社ではLocalFalconというツールで地点別の見え方を計測しています。
MEOだけでは届きにくい地点はどうするか
上の図の赤いエリアのように、店から離れた地点は、地図施策だけでは上位を取りにくい領域です。ここに届けたい場合は、地図の中だけで完結させず、商圏全体で考える選択肢があります。
- チラシ・ポスティングなどのオフラインの施策
- ホームページの改善やSEO(地図以外の検索からの流入)
- SNSや既存のお客様からの紹介
どれが最適かは、店の業種・立地・客層によって変わります。特定の手法が常に正解というわけではありません。地図で取れる範囲は地図で、届きにくい範囲は別の手段で、と組み合わせて考えるのが現実的です。
気をつけるポイント(契約のされ方)
- 順位を確約する説明:順位は変動し、地点でも変わります。確実に上げると約束する説明には慎重に。
- 強い営業・急かし:「今契約しないと損」と急かすより、悩みに具体的に答えてくれるかを見ます。
- 「丸投げでOK」の言葉:運用は伴走で効果が出ます。口コミや写真など、店舗しか持てない情報があるためです。
- 契約期間・料金の中身:期間や前払いがあること自体は珍しくありません。確認すべきは、対応内容と解約時の扱いが書面で明確かどうかです。
上位表示はあくまで手段で、来店や問い合わせにつながって初めて意味があります。誇大な認定バッジや保証の見極めはMEOの表示保証・認定は本当かの記事も参考になります。運用の基本はGoogleビジネスプロフィールの運用ガイドへ。
よくある質問(FAQ)
Q. ツール提供型と運用代行型、どちらが安いですか?
一般にツール提供型のほうが月額は抑えられますが、運用の手間は自店にかかります。総合的な負担で比べます。
Q. 「自分で検索したら1位」なら成功ですか?
店の近くでの検索は上位に出やすいものです。離れた見込み客にどう見えているかは別に確認する必要があります。
Q. 会社を変えたいとき、データは残りますか?
オーナー権限を店舗が持っていれば情報は残ります。だからこそ権限の所在の確認が大切です。
この記事を書いた人
伊藤智一(360株式会社)。2018年よりMEO事業に取り組み、累計300店舗以上を運用。2019年 東京都・世界発信コンペティション受賞。千葉テレビ『稼ぐ力養成講座』セミナー講師。
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