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訪問サービス開業時の屋号の決め方|店舗を持たない業種が検索でつまずかないために

訪問サービス開業時の屋号の決め方|店舗を持たない業種が検索でつまずかないために

ハウスクリーニングや出張修理のように、店舗を構えずに開業する業態でも、屋号は早い段階で必要になります。開業届にも名刺にも、記入する欄があるためです。

屋号の記入は任意で、個人名のまま事業を始めることもできます。ただ、Web経由での問い合わせを想定するなら、屋号は最初の接点そのものになります。

ここでは、訪問サービスの屋号を決めるときに、事前に確かめておきたいことを整理します。

先に結論:店舗が無い業態ほど、屋号が果たす役割が大きくなります

実店舗があれば、看板・外観・立地が「どんな事業者か」を伝えてくれます。訪問サービスにはそれがありません。

依頼者が最初に受け取る情報は、屋号と、検索結果に並ぶ一行の説明だけです

そのため、屋号は「覚えやすさ」だけでなく、「何をする事業者か」と「どこで活動しているか」が伝わるかどうかで判断することになります。

決める前に確かめる3つのこと

候補が出てきた段階で、次の3つは開業前に確認できます。

同じ名前・似た名前の事業者が近くにいないか候補の屋号でそのまま検索し、次に「屋号+地域名」で検索します。同業で同名の事業者が同じ都道府県内にいる場合、検索結果でも地図でも混同されます。依頼者が別の会社に電話をかけてしまう事故は、実際に起こります。

その名前で検索したときに、何が出てくるか一般的な言葉を組み合わせた屋号は、検索しても自社が出てきません。全国展開しているチェーンと紛らわしい名前も、比較されたときに埋もれるため避けたほうが無難です。逆に、造語や珍しい漢字は、口頭で伝えたときに書き取ってもらえないという別の問題が出ます。

読み方が一通りに定まるか電話で名乗る場面が多い業態です。読み方が割れる名前は、口コミや紹介で名前が伝わるときに検索されない原因になります。

候補の名前が既に使われていないかをまとめて調べたいときは、360株式会社が公開している店名チェックのツールもご利用いただけます。検索結果や地図上での重なりを確認できるようにしたものです。

地域名を入れるか、入れないか

訪問サービスの屋号で最も判断が分かれるのが、地域名の扱いです。どちらにも理由があります。

地域名を入れる利点は、探されたときに見つかりやすいことです「◯◯市 ハウスクリーニング」のように、依頼者は地域名と一緒に検索します。屋号に地域名が入っていると、検索結果の中で自分の住む地域の事業者だと分かりやすくなります。地元の事業者に頼みたいという依頼者にとって、これは選ぶ理由になります。

地域名を入れる欠点は、対応エリアを広げにくくなることです市名を入れた屋号で開業し、数年後に隣接する市や県全域に広げると、名前と実態がずれます。名前を変えるか、名前と実態の説明を足し続けるかの選択になります。

判断の分かれ目は、事業をどこまで広げる想定かにあります一人または少人数で、生活圏の中で完結させる想定なら、地域名を入れる利点のほうが大きくなります。人を増やして広域に展開する想定があるなら、地域名は屋号ではなくウェブサイトの説明文やGoogleビジネスプロフィールのサービス提供地域で表現するほうが、後から動かせます。

開業支援の現場で見てきたこと

ここからは、360株式会社が訪問サービスの開業期に関わるなかで観察してきたことを書きます。

屋号に業種の言葉が入っている事業者のほうが、初回の問い合わせが説明しやすい状態でした「◯◯サービス」「◯◯工房」のような屋号だけでは、何をする事業者か分かりません。「ハウスクリーニング」「電気工事」といった言葉が屋号に含まれていると、名刺を渡した相手にも、検索結果を見た人にも、説明が要らなくなります。

地図上での表示は、屋号をそのまま入れた事業者のほうが安定していましたGoogleビジネスプロフィールのビジネス名には、実際に使っている名称を入れることが求められています。ここに地域名や業種の説明を後から足すと、修正される場合があります。屋号の段階で必要な要素を含めておくほうが、地図上の表記と実態を一致させやすいと感じています。

屋号を変えたのは、たいてい開業から1〜2年の間でしたそれ以降は、口コミ・紹介・リピートの経路に名前が乗ってしまい、変更のコストが跳ね上がります。名前で迷っているなら、完璧を目指すより、最初の2年で見直す前提で決めるほうが現実的だと考えています。

これらは支援先で見えた傾向であり、地域や事業規模による差もあります。私見として受け取っていただければと思います。

屋号が決まったら、開業までに揃えておく場所

屋号は決めた時点で終わりではなく、Web上の各所で表記を揃えるところまでが準備です。

ホームページのドメイン屋号に近い文字列が取得できるかを、屋号の最終決定の前に確認します。取得できない場合、名前を変えるか、地域名を足したドメインにするかの判断が必要になります。サイトの立ち上げ方はハウスクリーニング開業時のホームページ立ち上げで扱っています。

Googleビジネスプロフィールのビジネス名訪問サービスは、住所を非公開にしてサービス提供地域を設定する形で登録できます。この設定と屋号の関係は出張サービス開業時のGoogleビジネスプロフィール登録にまとめてあります。

名刺・車両・作業着・請求書表記のゆれが最も出やすいのがここです。「株式会社」の位置、英字表記の有無、中黒やハイフンの入れ方まで、開業前に一通りに決めておきます。

よくある失敗

候補を一つに絞ってから調べ始める名前を決めてからロゴや名刺を作り、その後に同名の事業者が見つかると、費用ごとやり直しになります。候補は3つほど出した段階で、まとめて調べるほうが手戻りがありません。

検索での見え方だけで決めて、口頭で伝わらない名前にする検索に強い名前と、電話や紹介で伝わる名前は、必ずしも一致しません。訪問サービスは紹介経由の依頼が一定の割合を占めるため、声に出して名乗ってみる確認は省かないほうがよいと考えています。

屋号を決める前に、開業までの段取りを組んでしまう屋号はドメイン・ロゴ・名刺・地図登録のすべての起点です。ここが後ろにずれると、他の準備が連鎖して遅れます。開業までの順番は訪問サービス開業のWeb準備スケジュールに整理してあります。

まとめ:最初の一手

屋号を考える前に、まず依頼者がどんな言葉で検索するかを3つ書き出してみることをおすすめします。「地域名+ハウスクリーニング」「エアコン 掃除 ◯◯市」のように、実際に打ち込まれる形で書きます。

その言葉の並びを見てから候補を出すと、覚えやすさと見つけやすさのどちらに寄せるかの判断がしやすくなります。名前は事業の入口であって、事業そのものではありません。決めきれずに準備が止まるくらいなら、見直す前提で先に進めるほうが得るものが多いと考えています。