クリニックの開業準備では、開業日に向けて内覧会を計画することがよくあります。地域の住民に院内を見てもらい、開業前から存在を知ってもらう。この内覧会の告知は、チラシのポスティングなどアナログな方法に偏りがちです。
結論から申し上げます。内覧会やプレオープンの集客は、アナログ施策だけで完結させると取りこぼしが出ます。チラシを見た人の多くは、その場で来院を決めず、まずGoogleで医院名や場所を調べます。そのとき調べた先に情報が無ければ、せっかくの告知が途切れてしまいます。この記事では、開業前の内覧会・プレオープン集客を、Web告知の動線という面から整理します。
Googleプロフィールは開業90日前から表示できる
まず押さえておきたい公式の事実があります。
Googleビジネスプロフィール(Googleマップや検索結果に店舗情報を表示する無料の仕組み)は、開業予定日を設定することで、開業日の90日前から検索結果に表示できるようになります。つまり、内覧会を開く前の段階で、すでにクリニックは地図上に「まもなく開業」という形で存在できるわけです。
この90日間は、内覧会の告知窓として使えます。プロフィールには最新情報を投稿する機能があり、内覧会の日時や場所、予約の要否をここで発信できます。チラシを見た住民が医院名を検索したとき、地図上で内覧会の詳細にたどり着ける。アナログの告知とWebの受け皿は、片方だけでは片手落ちで、両輪でつないで初めて取りこぼしが減るというのが基本の考え方です。
参考:開業日を追加する方法 – Googleビジネスプロフィールヘルプ
プレオープンサイトは「開院日と場所」だけでも先に出す
内覧会のWeb告知でもう一つ欠かせないのが、ホームページの先行公開です。
完成したホームページを開業日に合わせて一斉公開しようとすると、準備が間に合わず、結局開業後にずれ込むことがよくあります。ここで有効なのが、プレオープンサイトという考え方です。最初から完璧を目指さず、開院日・場所・診療科目・内覧会の案内といった最小限の情報だけで、まず一枚のページを公開しておく。
この先行公開には、Web告知以外の意味もあります。Googleビジネスプロフィールには公式サイトのURLを登録する欄があり、ここに登録するURLは登録時点で実在している必要があります。プレオープンサイトを早めに公開しておけば、プロフィール登録もスムーズに進みます。
360株式会社が見てきた、内覧会のWeb動線の組み方
ここからは、360株式会社が医療機関の開業に関わる中で観察してきた話です。
内覧会の集客がうまくいったクリニックには、共通して「チラシからWebへ、Webから来院予約へ」という一本の流れがありました。チラシには内覧会の概要とQRコードだけを載せ、詳細はプレオープンサイトに集約する。サイトには内覧会の地図、当日の流れ、そして開業後の診療予約の入口を一緒に置いておく。
ここで効いていたのは、内覧会の告知ページを、開業後の予約導線と切り離さなかった点だと考えています。内覧会だけの単発ページを作ってしまうと、当日が終わった瞬間にそのページは役目を終えます。そうではなく、開業後も使うサイトの中に内覧会の案内を組み込んでおけば、内覧会で生まれた認知が、そのまま開業後の予約につながっていきました。
準備の時系列を整理すると、次のようになります。
開業90日前
Googleプロフィールを開業日設定で公開します。地図上に「まもなく開業」の表示を出すことが目的です。
開業60日前
プレオープンサイトを最小構成で公開します。検索の受け皿を、この時期に用意しておきます。
開業30日前
内覧会の案内を、サイトとプロフィールの両方に掲載します。チラシからの導線をここでつなぎます。
内覧会後
内覧会の様子を投稿し、予約導線へ接続します。認知を、開業後の来院につなげる段階です。
内覧会の告知ページは単発で作らず、開業後も使うサイトの一部として設計するほうが、認知が来院に変わりやすいというのが、現場で繰り返し見てきた手応えです。
チラシを軽視しない|開業直後はWebがまだ育たない
ここまでWeb動線を述べてきましたが、アナログ施策を軽視しているわけではありません。
開業直後は、Googleプロフィールの口コミも検索での評価もまだ育っていません。この時期は、近隣の店舗へ挨拶を兼ねてカードを置かせてもらう、ポスティングでエリアを絞って告知するといった地道な動きが、むしろ即効性を持ちます。Webはこの地道な認知を「検索したときに受け止める受け皿」として機能します。どちらかではなく、両方を同時に回すのが開業期の現実的な形だと考えています。
まとめ|開業準備の最初の一手
クリニックの内覧会・プレオープン集客は、Googleプロフィールの開業前公開とプレオープンサイトの先行公開から始まります。
最初の一手を一つに絞るなら、開院日・場所・診療科目だけを載せた一枚のプレオープンサイトを、まず公開してしまうことです。完璧を待たずに受け皿を一枚用意することが、内覧会の告知と開業後の予約をつなぐ起点になります。プロフィールの登録そのものの手順はクリニック開業時のGoogleビジネスプロフィール登録で整理しています。
なお、Googleプロフィールの仕様は更新されることがあります。告知の設計時には、最新の公式ヘルプを確認することをおすすめします。


